PURCHASE DECISION GUIDE

失敗込み造形原価の計算方法

材料単価だけでは、試行錯誤の多い用途ほど原価を過小評価します。成功率で割り戻し、ノズルやプレートの消耗も加えます。

ランキングなし用途条件から確認
不適合なら買わない停止条件を明記
公式資料で照合購入前に最終確認

成功品1個の原価を計算する

材料費だけでなく、失敗した分も成功品へ割り戻します。下の例では、材料・電気のみで約394円、作業・保守・設備費まで含めると約1,169円です。金額は説明用の仮定で、製品の実測値や販売価格ではありません。

材料費(円/試行)
使用量(g)÷ 1,000 × 材料単価(円/kg)
電気代(円/試行)
平均消費電力(W)÷ 1,000 × 時間(h)× 電気単価(円/kWh)
作業費(円/試行)
作業時間(分)÷ 60 × 作業単価(円/h)
成功品1個の原価(円)
(材料費 + 電気代 + 保守費 + 作業費)÷ 成功率 + 設備費 ÷ 想定成功品数

計算例:100gを5時間で造形

材料単価3,000円/kg、平均100W、電気単価30円/kWh、失敗率20%(成功率0.8)と仮定します。

  • 材料費:100 ÷ 1,000 × 3,000 = 300円
  • 電気代:100 ÷ 1,000 × 5 × 30 = 15円
  • 材料・電気のみ:(300 + 15)÷ 0.8 = 393.75円
  • 保守費40円/試行、作業15分・2,000円/時なら作業費は500円。
  • 設備10万円を成功品1,000個に配賦すると100円/個。
  • 合計:(300 + 15 + 40 + 500)÷ 0.8 + 100 = 1,168.75円(約1,169円)

失敗率と未入力費用の扱い

この式は、失敗時も成功時と同じ材料・電気・作業・保守費がかかる簡易モデルです。途中停止で費用が少なく済む場合や、後処理が成功時だけ必要な場合には過大評価になります。実績がある場合は、対象期間の実際の費用合計を成功品数で割って比較してください。成功品が0個なら単価は算出できません。

設備費は想定成功品数で配賦するため、再び成功率で割りません。税務上の減価償却計算とは異なります。設計・梱包・配送などを含める場合は別途加算し、原価をそのまま販売価格にしないでください。不明な費用は0円とせず、材料・電気のみの原価と総原価を分けます。

多色造形のパージ・ワイプタワーは使用量に含めます。乾燥機の電気代や乾燥・保管の設備費、ノズルの交換費も、含めた項目と含めていない項目を区別してください。

費目の確認にはPrusa公式の原価解説も参照できます。このページの円建て例と成功率の式は当サイトの説明用モデルです。

用途・設置条件と造形原価を診断する

診断では材料別の仮定単価を使います。ご自身の購入単価と異なる場合は、このページの式へ置き換えて計算してください。購入準備の質問への回答は、原価の診断には不要です。

01

購入前に確認する条件

  1. 01

    材料使用量(g)÷ 1,000 × 材料単価(円/kg)

  2. 02

    平均消費電力(W)÷ 1,000 × 造形時間(h)× 電気単価(円/kWh)

  3. 03

    失敗率で成功品当たり原価へ割り戻す

  4. 04

    ノズル・プレート・接着剤・フィルターの月割り

02

買わない・急がない条件

  • スライサー表示の材料費だけで判断
  • 試作回数と設定時間を無視
  • 大型造形の失敗を小物と同じ率で置く
03

一次情報で最終確認

材料の配合や本体世代で条件は変わります。次の公式資料と、購入候補の最新マニュアルを照合してください。

関連する確認事項

AMS・MMU・多色造形の総費用本体価格ではなく、廃棄材料・造形時間・対応材料まで含める。乾燥機・ドライボックス・保管の違い湿った材料を乾かす装置と、乾燥状態を維持する箱を分ける。0.2・0.4・0.6・0.8mmノズルの選び方細さと速さだけでなく、詰まり・層強度・交換頻度から決める。